迷いながらも民と歩む道を選んだ、最後の王の物語。月組若手スターたちが織りなす熱き歴史ファンタジーが開幕 ⚔️🌟
「芝居の月組」の次代を担う若き才能たちが、宝塚バウホールの舞台で眩い輝きを放っています!2026年1月21日に初日を迎えた、礼華はる主演の亡国封史『雨にじむ渤海(パレ)』。
10世紀の東アジアに実在し、「海東の盛国」と謳われながらも契丹(きったん)の脅威にさらされた謎多き多民族国家「渤海(ぼっかい)」。その最後の王として知られるテ・インソンの生き様を、平松結有氏による瑞々しい脚本と演出で描き出した歴史ファンタジーです。
観る者の涙を誘い、劇場を温かな感動で包み込んだ本作の見どころを、たっぷりとレポートいたします 🌸
第1章:冷酷な孤独から「愛」を知る成長のドラマ 👑
主演・礼華はるが魅せる、王の威厳と心の氷解
幕が上がった瞬間、そこに鎮座するのは圧倒的な「王」そのものでした。主演の礼華はるは、178センチという抜群のスタイルを誇る月組期待のスター。黒と金を基調とした荘厳な衣装を纏い、なびく長髪で椅子に深く腰掛ける姿は、息をのむほど美しく、威厳に満ちています 📸✨
彼女が演じるテ・インソンは、絶え間ない隣国の侵略と、身内の裏切りに心を削られ続けた孤独な王。誰も信じられず、鋭い眼差しで周囲を威圧するその姿には、冷酷な仮面の裏に隠された深い絶望が滲みます。これまでの作品で見せてきた柔和な笑顔を封印し、低く響く声で冷徹に言葉を放つ彼女の姿には、役者としての底知れぬ進化を感じずにはいられません。
そんな彼が、何者かに谷底へと突き落とされ、記憶を失わぬまま市井の民として過ごすことになる中盤。豪華な衣装を脱ぎ捨て、民と同じ質素な服を纏った彼女の表情には、少しずつ「人間」としての温もりが宿り始めます。王としての重責から解放され、初めて自分を自分として見てくれる人々との触れ合いを通じて、心の氷が溶け出していく繊細な過程は、本作の最大の白眉と言えるでしょう。
第2章:身分を超えた絆、礼華×彩海の熱き友情 🤝🔥
彩海せらが放つ、太陽のような明るさと深い包容力
この物語に輝く希望の光をもたらすのが、インソンの命を救った市井の民セウォンを演じる彩海せらです。
彩海は、貧しさや苦しい過去を抱えながらも、決して腐ることなく「信じることの大切さ」を説くセウォンを、屈託のない笑顔とテンポの良い台詞回しで見事に造形しました ☀️ 彼女が舞台に現れるだけで、重苦しかった空気が一変し、客席にも明るい日差しが差し込むような感覚を覚えます。
身分を偽った王・インソンと、無垢な心を持つ民・セウォン。本来交わるはずのなかった二人が、同じ釜の飯を食べ、肩を抱き合い、夜空の下で夢を語り合う。その一つひとつの掛け合いが、観る者の心に「真の友情とは何か」を問いかけます。
特に、礼華の落ち着いた包容力と、彩海の弾けるようなエネルギーがぶつかり合うシーンは、同期のような、あるいは兄弟のような親密な空気が漂い、思わずクスッとさせられる微笑ましいやり取りも満載。二人の信頼関係がそのまま役に投影されたかのような息ぴったりのコンビネーションに、最後は誰もがその絆の尊さに涙を禁じ得ません 👏💖
第3章:物語を彩る実力派キャストと愛の形 💎
若き才能がぶつかり合う、重厚な人間ドラマ
主演コンビを支えるキャスト陣も、月組らしい確かな芝居力で物語に深みを与えています。
- 王妃ウンビン(乃々れいあ):一国の運命を背負う王妃としての貫録と、孤独な夫を想う深い愛。乃々れいあは、凛とした立ち姿と芯のある歌声で、強くて美しいヒロイン像を確立しました。彼女の真剣な眼差しがインソンの心を繋ぎ止める大きな力となります 🌸
- 契丹の王子(瑠皇りあ):渤海を滅ぼそうと暗躍する耶律突欲。冷徹な美しさの中に、父である契丹王への屈折した感情を宿らせ、憎らしくも魅力的な敵役を好演しています。
- 王妃の護衛(七城雅):忠誠心と、一人の人間としての私情に揺れ動く難役。若手らしい瑞々しさと葛藤の表現が、舞台にリアルな緊張感をもたらしました ✨
- 契丹の王(一樹千尋):専科からの特別出演。圧倒的な存在感と重厚な歌声で、物語に巨大な壁としての説得力をもたらし、若手たちの熱演を一段高い次元へと引き上げています。
第4章:平松結有の描く「愛」と迫力の殺陣 🌈⚔️
歴史ファンタジーが届ける、心揺さぶるフィナーレ
平松結有氏による作・演出は、単なる歴史劇に留まりません。殺陣師・清家一斗氏による鮮やかな刀剣シーンが随所に盛り込まれ、特に礼華はるの長身を活かしたダイナミックな殺陣は、客席を圧倒する迫力です 🗡️ 銀色に光る刀が交差するたび、滅びゆく国の切実な運命が浮き彫りになります。
そして、最後に提示されるのは「さまざまな愛の形」です。男女の愛だけでなく、友との絆、そしてリーダーとして民を守り抜こうとする献身の愛。インソンが迷い、傷つきながらも「最善の道」を選び取る決断の瞬間に、客席からは大きな啜り泣きが漏れていました。
フィナーレのパレードで見せる、礼華と彩海の晴れやかな笑顔。その輝きは、まさにこれからの月組を牽引していく若き力そのもの。歴史の荒波に消えた幻の国・渤海に降る雨が、最後には希望の雫へと変わるような、清々しい余韻に包まれる素晴らしいバウ公演となりました。
