初夏の爽やかな風が吹く5月23日、兵庫・宝塚大劇場にて、宙組公演『黒蜥蜴(くろとかげ)』『Diamond IMPULSE(ダイヤモンド インパルス)』が待望の初日を迎えました。
今作は、トップスター・桜木みなとの大劇場主演2作目となる記念碑的なステージ。さらに、今春宝塚歌劇団に入団したばかりの第112期生がタカラジェンヌとしての第一歩を踏み出す初舞台公演でもあります。江戸川乱歩×三島由紀夫という耽美の極みとも言える独特な世界観の芝居と、ダイナミックで輝きに満ちた極上のレビュー。まさに「ときめきが大渋滞」となった、熱気あふれる劇場の様子と見どころをたっぷりとお届けします 🌙✨
💠 19年ぶりの再演!三島戯曲×生田演出で魅せる、ロマンチシズム溢れる宙組『黒蜥蜴』
大劇場公演の幕を開けるのは、江戸川乱歩の不朽の名作を三島由紀夫が戯曲化し、演出家・生田大和氏が宝塚歌劇らしく大胆かつ鮮やかに潤色・演出を手掛けた『黒蜥蜴』です。宝塚歌劇では2007年の花組公演(春野寿美礼主演)以来、実に19年ぶりの再演となりました。
物語の舞台は、怪しげな魅力と活気に満ちた1960年代の首都・東京。日本一の宝石商・岩瀬庄兵衛の元に、愛娘の早苗を誘拐するという不穏な脅迫状が届くところから始まります。私立探偵・明智小五郎は、岩瀬から身辺警護の依頼を受け、事件の核心へと迫っていきます。
今回の再演では、より戯曲の持つ言葉の美しさや緻密な心理描写に忠実でありながら、生田氏ならではのドラマチックなエッセンスが融合。客席に一歩足を踏み入れた瞬間から、ロマンチックで耽美な独特の世界観が繰り広げられ、観客を魅惑の迷宮へと誘います。
🎨 知性とクセ者感の融合。桜木みなとが必死に構築した「明智小五郎」の緊張感と美学
主演の明智小五郎を演じるのは、トップスター・桜木みなとです。
彼女が体現する明智は、抜群の知性とスマートな佇まいの中に、どこか一筋縄ではいかない「クセ者感」を内包した非常に魅力的なキャラクター。犯罪を憎みながらも、あまりにも美しく完璧な犯罪を企てる敵に魅せられていく探偵の葛藤を、細やかな芝居心で見事に好演しています。
そして、明智と対峙する美しき女賊・黒蜥蜴を演じるのが、トップ娘役の春乃さくらです。
「エヂプトの星」と呼ばれる巨大ダイヤモンドと岩瀬家の令嬢を執拗に狙う、エキセントリックで妖艶な悪女という難役を熱演。春乃はトップ娘役としての気品とエレガントさを絶妙なバランスで保ちながら、黒蜥蜴の持つ孤独と狂気をドラマチックに表現しています。
「敵対する相手と恋に落ち、危うくなりかけるところが今作品の魅力」と桜木みなと自身が語るように、二人が舞台上で繰り広げる心理戦と駆け引きは、息をのむほどの緊張感。お互いに独自の美学を追求し、魂でぶつかり合うからこそ生まれる、どこか危うくも美しい大人の愛のカタチは、新生宙組トップコンビの確かな信頼関係があるからこそ成し得た新境地と言えるでしょう 💖
🚀 男役10年を経て掴んだ自信。トップ就任1年、無我夢中で走った桜木みなとの軌跡
2025年4月に宙組10代目トップスターに就任してから、ちょうど1年が経過した桜木みなと。これまでの歩みを振り返り、「無我夢中で走ってきたので『1年か』という思い。仲間に支えられて、助けられて今やれているので、仲間には感謝しかない」と、劇場を共にする宙組生への熱い想いを語っています。
彼女の放つ、劇場の隅々まで圧倒するような強いオーラの原点は、入団10年目である「研10」の時代にありました。
宝塚では古くから「男役をモノにするには10年かかる」と言われますが、彼女もまたその時期に芸事に対して深くもがき、葛藤していたといいます。
「男役として色気をもっと出したい、与えられた役の枠を自分のオーラで壊して、もっと大きく広げていかなければいけない」――。
そうした当時の焦りやハングリー精神がキッカケとなり、殻を破った経験が、現在の「知性・色気・クセ」を自在に操る唯一無二のトップスター・桜木みなとの骨太な男役像を形作っています。一色に染まらない、豊かな個性が集まる宙組のリーダーとして、その輝きは増すばかりです。
✨ 水美舞斗の鬱屈した色気、そして“キラキラ”112期生と“ギラギラ”上級生が爆発するレビュー
今公演のもうひとつの大きな見どころが、男役スター・水美舞斗の存在です。
お芝居では、黒蜥蜴に盲目的に心酔し、彼女のためにすべてを捧げる従順な男・雨宮潤一役を熱演。普段の舞台で見せる華やかでスタイリッシュな持ち味とは一味違う、陰のある鬱屈としたキャラクターを、宝塚らしい色香を損なうことなく見事に演じきり、役者としての新境地を拓いています。
続く後半のショーは、演出家・竹田悠一郎氏の作・演出による『Diamond IMPULSE』。その名の通り「ダイヤモンドの輝き」をテーマにした、体感温度が跳ね上がるほどエネルギッシュなレビューです。
竹田氏から「とにかくギラギラしてください」とディレクションを受けたという桜木みなと率いる上級生チームは、まさに“ギラギラ担当”として男役オーラ全開のまばゆい眩しさを発揮。水美舞斗もショースターとしての実力を遺憾なく爆発させ、客席のボルテージを最高潮へと導きます。
一方で、今公演でタカラジェンヌとしての第一歩を踏み出した112期生の初舞台生40人は“キラキラ担当”として舞台に瑞々しい風を吹き込みます。
桜木みなとも自身の初舞台(2009年『Amour それは…』)での、お客様からの温かい拍手や同期への愛を懐かしみながら、未来輝く後輩たちの姿を愛おしそうに見守っていました。初舞台生ならではの、一糸乱れぬ情熱的なラインダンス(ロケット)が披露されると、客席からは割れんばかりの温かい拍手と感動の涙が溢れました。
💎 まとめ:さまざまな色に輝く新生宙組の挑戦。最後の日までその眩しさを見届けたい
前作の大劇場公演で「ときめきが大渋滞」というキャッチフレーズを歌い上げ、まさにその通りに個性豊かな輝きを放ち続けている現在の宙組。
宙組一筋で育ち、初の生え抜きトップスターとなった桜木みなとの確固たる求心力のもと、お芝居の耽美な緊張感と、ショーの圧倒的な熱量が奇跡的なバランスで融合した、素晴らしい2本立てが誕生しました。
宝塚大劇場での公演は7月5日まで、その後、東京宝塚劇場にて7月25日〜9月6日まで上演されます。初舞台生の初々しい輝きと、円熟味を増す上級生たちのギラギラとしたオーラ。進化を続ける宙組の熱い挑戦を、ぜひ劇場で目撃してください!ロマンチックで情熱的なダイヤモンドの煌めきに、誰もが心を奪われるはずです 🌈👑✨
